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よりそいコラム

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  • 注文住宅
2023.04.03

外の景観を取り入れて、自然とつながる家 

借景という言葉をご存知でしょうか?これは、日本庭園において背景に映る自然を借りて景観を完成させることです。自然を家に取り入れることにより、四季の移ろいを感じられやすくなり、風情のある家になります。 

そのような技法を注文住宅にも生かし、窓からの景色をインテリアの一部にしたり、中庭を造って自然を家の一部にしたり、またアウトドアリビングによる、家と外のつながりが感じられる家造りをご紹介したいと思います。

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美しい自然が映る大きな窓のある部屋    

窓サイズを大きめに取り、外の景色を壁面に取り入れてみましょう。都心部や狭小住宅で密接した地域では難しいかもしれませんが、立地が郊外であれば自然の風景を取り入れることができるのではないでしょうか?また土地に余裕があり、庭のある家であれば、庭の植栽を窓からの風景に取り入れるのも良いと思います。しかし、緑豊かな植栽を育てていくのは大変かもしれません。そこでおすすめなのが、シマトネリコという常緑樹です。育てやすいシンボルツリーとして人気のある木です。水やりや肥料などもほとんど必要なく、ぐんぐんと成長していきます。秋には葉は枯れてしまいますが、また春、夏になると美しい緑の葉っぱが生えてきます。上手く窓からの景色に取り込めば、手軽に借景を楽しむことができます。 

また、壁一面を窓にしてしまい、庭の風景をそのままインテリアの中の風景として取り入れることも可能です。採光を目的とした窓やデザイン性を重視した窓に、開閉できない「はめ込み式の窓」があります。すっきりとしていて、デザイン性も高く、外からの景色がダイレクトに部屋の中に飛び込んでくるので、まるで景色の一部が部屋のインテリアのようにも見えます。他にもメリットがあり、この窓にすると気密性が高く、冷暖房効率も上がります。ただし、デメリットもあります。開放的であるため、人目につく側に面した壁には付けづらいことや、掃除がしづらいことなどが挙げられます。  

中庭を造り自然光を取り入れて明るい部屋に     

家の設計の中に中庭を取り入れてみるのはいかがでしょうか?四方が囲まれているロの字型の中庭は、開放的でありながらも外からは見えないため、完全なプライベート空間になります。また、中庭を造ることにより、中庭に面した部屋にはたくさんの光が入り、とても明るくなります。北側に面した部屋でさえも中庭からの光が入ることにより、明るい部屋となるのです。 

その他にも、三方が囲まれており、一つの面が開放的になっているコの字型、2方向が囲まれており、庭とのつながりで開放感のあるL字型があります。L字型の中庭が最も開放的ではありますが、外からの視線が気になるため、完全プライベート空間とはいえません。 

中庭の活用はさまざまです。 

特に全方向が家に囲まれているロの字型の中庭の場合は、外からの視線が気にならないため、部屋着や普段着でもリラックスして過ごすことができます。晴れた休日に家族で、部屋着のまま朝食を取ったり、夜空を見上げながら夫婦で晩酌もロマンチックですね。また、夏には子供たちのプール遊びの場所としてあげてもいいと思います。バーベキューをするにも人目を気にしないでいいので、友達を呼んでワイワイできますね。煙も上空へ上がっていくため、家の中には影響がないので安心です。小型犬を遊ばせるスペースにも良いかもしれません。 

日常の景観にも一躍買ってくれます。中庭に緑がたくさんの植栽をすると、いつでも自然の中にいるような感覚になりますし、自然をインテリアの一部として取り入れることにより、心が癒されます。緑や自然は気持ちを休める効果がありますので、自然を感じられる庭づくりをすると、心が安定します。

昔ながらの純和風の家屋においても、中庭は風情のある空間として採用されているのです。 良いものは、形を変えながらも続いていくものですね。

もう一つのリビングとよばれるアウトドアリビング      

先ほどの中庭と似ているところはあるのですが、リビングからつながる外の空間をもう一つのリビングとし、家の中とのつながりを感じられるアウトドアリビング。 
リビングに面した庭に、リビングの床と同じ高さのウッドデッキを設置します。段差をなくすことで一体感が生まれ、リビングの延長線上にもう一つ部屋があるように感じられます。これにより、開放感のある空間を造ることができます。 

2階にリビングがある場合は、バルコニーを広めにとりリビングとつなげることで一体感が生まれます。 その際には、外の景色空間を屋内の一部とすることにより、部屋がより広く感じられるのです。 

アウトドアリビングを造る際には、壁や格子で目隠しをするのが一般的です。そうすることにより、周りの目を気にせず、プライベートな空間を満喫でき、かつ開放的な空間としての活用ができます。アウトドアリビングには屋外用の素敵な家具を配置したり、観葉植物をレイアウトしてみたり、と楽しみ方は無限大です。人目を遮るものがあるから、リビング内にカーテンをかけずに、アウトドアリビングのインテリアも屋内のリビングの一部として捉え、トータルでコーディネートしていくと、よりおしゃれな空間になることでしょう。 

いかがでしたか?今回は間取りや導線についてご紹介しました。一度家を建ててしまうと、なかなか間取りを変更することは難しいです。家を建てるとこの先何十年も暮らしていくことになりますので、子供の成長に合わせて変化することができる間取りや、家事効率を考えた間取りなど、ご家族の優先したい間取りを設計士とじっくりと相談して、納得して家作りを楽しんでくださいね。