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2023.04.10

年中快適に過ごせる全館空調!メリット・デメリットは? 

最近、快適な住空間の設備として「全館空調」という言葉をよく聞きませんか?全館空調とは個々の部屋に冷暖房を完備するのではなく、家全体を最適な温度にし、24時間換気を行うものです。とても快適に過ごせることは間違いないですが、コストがかかるなどの側面もあり、全館空調を取り入れるかどうかは悩みどころですね。この設備は現時点では、家を建てる時に導入しないと、なかなか後付けというのは難しいようです。 

今回は、これから家を建てる人のため、全館空調のメリット、デメリットについて解説したいと思います。 

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全館空調とは?     

全館空調とは家全体の温度を均一に保ち、24時間換気して空気を清浄化してくれるものです。そのため、家中のどこへいても寒暖差がなく、常に快適に過ごせるというわけです。エアコンだと、個々の部屋に設置していることが多いため、その部屋しか涼しく、もしくは暖かくならなかったり、エアコンが設置されていない廊下や脱衣所、玄関などが、他の部屋と比べて寒暖差が激しくなるなどということが起きます。特にお年寄りや小さな子どもがいる場合は、その寒暖差からヒートショックを起こすこともあり、健康面の不安もあります。またエアコンが効いている部屋でも、冷たい空気が下へいき、暖かい空気は上にいくという性質から、足元だけ寒い、ということも起こり得ます。 

その点、全館空調はそのような心配がなく、空気は上にいこうが下にいこうが、温度は均一に保たれますので、足元だけ寒かったり、頭だけ温まりすぎてぼーっとする、などということはなさそうです。 

全館空調のメリット      

それでは、全館空調のメリットを具体的に見ていきましょう。

①家全体の温度が均一に保たれる

一番のメリットは、季節を問わず、家中のどこにいても最適な温度に保たれているため、快適に過ごせることです。冷暖房器具だと暖かくなりすぎたり、逆に冷たくなりすぎたりすることがあるかもしれませんが、全館空調の場合は、最適な温度が一定で保たれるため、そのような心配もありません。 

冷暖房器具が不要なので、部屋がスッキリ見える

全館空調の設備は、壁の内側に設置されているため、各部屋に冷暖房器具を取り付ける必要はありません。そのため見た目にもスッキリとして、お部屋も広く見えます。お部屋の景観に特にこだわりのある人にはぴったりの設備です。 

③ヒートショックを防ぐことができ、健康面に寄与 

暖かい場所から急激に寒い場所へ移動した時に起こりやすいヒートショック。特にお年寄りがいる家庭では注意しなければいけません。全館空調を導入すれば、家全体の温度が均一なので、このようなことは起こりにくくなります。また、夏場の熱中症対策にも期待できます。 

④換気をしなくても空気が清浄に保たれる 

全館空調のシステムには、常に空気を循環させ、清浄な空気環境を保つ役割も持っています。このため、カビやダニ、結露の防止や花粉、ウィルスの除去にも役立ちます。 

⑤扉を開けっ放しにできて家の中が開放的になる  

各部屋を温めたりする場合は、暖かい空気が逃げないよう部屋のドアを閉じっぱなしにしますよね。 

家全体の空調を整える全館空調では、部屋のドアを開けっぱなしにしていても温度に変化がなく問題ありません。そうすることにより、家族がどこで何をしているのか分かりやすく、顔もよく見え距離も近く感じられますね。 

⑥快眠できる

部屋の冷暖房器具の場合、寝ている間に暖かくなりすぎたり、寒くなりすぎたりすることがあります。そのため、タイマーをセットして眠るも、今度は暑さ、寒さで目が覚めるということがあるかと思います。 

その点、全館空調では24時間ずっと最適な温度を保てているので、汗をびっしょりかく事もなく、寒すぎて夜中に目が覚めることもなく、朝までぐっすりと快眠することができます。 

全館空調のデメリット      

メリットばかりではありません。快適さの裏側にはデメリットも存在します。

①導入時やメンテナンス費用がかかる

初期導入費用は、約200万〜300万といわれています。初めに結構な費用がかかる上、定期点検やフィルター交換などで、年間約3万円〜5万円の費用もかかってきます。さらに故障の際は、修理代に数十万円〜100万円ほどの費用がかかると見込まれています。 

②電気代がかかる 

全館空調では、24時間365日稼働しているため、その間の電気代はかかり続けます。全館空調だけの電気代は、春秋で約1万円、夏場は約2万円、冬場になると約3万円ほどかかるといわれています。ただ、家自体の構造を高断熱・高機密にすることで、この電気代を抑えることも可能です。 

③家が乾燥しやすい 

冬場の暖房の場合、高い温度の空気が吹き出されると湿度を奪ってしまうので、空気が乾燥しやすいです。湿度が20%を切ってしまうこともあるので、加湿器が必需品となります。  

④故障の際は全ての部屋の空調が停止する  

故障してしまうと修理できるまで空調なしで過ごさなければならず大変です。特に時期が真夏や真冬だった場合は辛いですね。また、業者がお休みの時に故障するとその間も冷暖房なしで過ごさなければいけません。修理代も高額です。 

⑤家族それぞれの快適な温度が異なる

全館空調では、各部屋ごとに温度を設定することができないため、家族の個人個人の最適温度に合わせることが難しいです。特に、暑がりな人、寒がりな人がいる場合は温度設定で意見が分かれそうですね。 

床暖房との違いは? 

同じ暖房器具として、床暖房と比較されたりしますが、違いは一体どのようなものでしょうか? 
床暖房は、空気を温めるというよりは、足元からじんわりと暖かくなるものです。ずっと同じ場所にいると低温やけどの心配もあります。 
初期費用に関しても、部屋の広さやどこに床暖房を入れるかによるので、一概に比較できません。 
また、床暖房は冬限定の暖房器具です。夏場にはエアコンが必要になってくるため、結局は設置しないといけなくなります。全館空調に関しては、1年中使用できる冷暖房器具であり、しかも空気循環機能も有する全館空調は、暖房に特化している床暖房よりもコストパフォーマンスは良いといえます。 
そのため、最近はどのハウスメーカーにおいても、新しい設備である全館空調の方が主流になっているようです。 

いかがでしたか?今回は最近よく耳にする全館空調についてご紹介しました。快適な温度で1年を過ごすことは、健康面に関しても非常に重要なことです。また働き方として在宅ワークが増える中、家で過ごす時間が長くなってきていますよね。家の中が快適というのは、家づくりにおいて最も優先されるべき事項だと思います。全館空調のメリット、デメリットを理解して上で、ぜひ導入を検討してみてください。