- 注文住宅
実録!注文住宅を建てるまで Part2
前回のコラムでは、私が注文住宅を建てると決めてから、設計図の作成までをご紹介しました。後半は、着工から竣工までの記録をご紹介していきます。
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自己紹介
夫は会社員、妻の私はフリーランスのアラフォー共働き世帯で、子どもは小学2年生、5歳年中の二人の娘がいる4人家族です。
注文住宅を建てたのは、約7年前。当時は、夫婦ともフルタイムの正社員。2人とも職場には30分以内でいける便利な立地の2LDK賃貸アパートで2人暮らし。長女を妊娠した頃に住宅建築を検討しはじめました。
着工前の確認申請と地盤調査
図面が完成したら、いよいよ工事の開始です!
と、その前に建てる家が法律や条例に反していないかを確認するため「建築確認申請」を指定された審査機関に提出しなければいけません。たくさんの資料を準備する必要があり、ここは、設計事務所にお任せし、代理で行っていただきました。 おおよそ1週間ほどで審査がおり、施工会社による地盤調査がはじまります。
地盤調査とは、その土地が建物の重さに耐えることができ、沈下に抵抗する地耐力があるかどうかということを調べるもので、建築基準法で定められています。地盤調査により、沈下の恐れがあると診断された場合は地盤改良を行います。
この地盤調査はとても専門的なことになるため、施工会社が行ってくれました。初めて家を建てる土地ではありましたが、問題なく工事を進められるとのことでした。
地鎮祭やる?やらない?
全ての準備が整ったところで、いよいよ着工となります。着工前には、儀式として「地鎮祭」を行うのが一般的です。近年では、建設地が遠方であったり、予算の関係で地鎮祭を執り行わない選択をする人も増えてきているようです。
私は、精神的なものや風水を結構信じるタイプの人間なので、地鎮祭をやらないという選択肢はなかったです。ただ、私が出産間近ということもあり、簡易に行いました。
大安吉日を選び、施主の私たち夫婦、神主さん、工事関係者数名が参加しました。
施主として準備するものとしては、
- 御供物→お酒(熨斗をつけてもらいました)、お米、野菜(地面の上になるものと下にできるもの)など
- 玉串料→神社へ支払う謝礼です。相場は3~5万円で、5万円包みました。
- その他、榊(さかき)、升、半紙など
その他のものについては、工務店さんに聞いてみると必要なものを教えてくれたり、準備してくれたりしました。
地鎮祭を行うと、いよいよだな!無事故無災害で無事に竣工できますように!と気持ちが引き締まる思いでした。今はただの土の上に、これから私たちがこだわりを持って設計士さんと一緒に作った2次元の図面が、3次元の建物になっていくんだなーと思うと大変感慨深い気持ちになりました。
一つの区切りとして、地鎮祭は気持ち的には私は行った方が良いと思っています。
予算は全部で15万円くらいです。
このタイミングで、ご近所への挨拶回りを設計事務所と工務店さんがやってくれました。ご近所さんは、どの方も皆とても気持ちの良い方だったと聞き、さらに安心しました。
ついに着工!工事が始まりました!
工事がはじまると、施主である私たちは特にやることがないというか (笑) 、、見守るしかありません。しかし設計事務所の方から、2週間に1回くらい工事の進捗を見に行かれてはいかがですか、とアドバイスをいただきました。家が建っていく姿を確認できるのも、恐らく一生に何度もない出来事ですし、職人さんへの労いや差し入れ、コミュニケーションを取ることも大切だということです。なぜなら、家は建って終わり、ではなく建ってからも長い付き合いになります。職人さんや工務店さんとも良好な関係を築いていくことで、この先の家の不具合や、疑問点があったときに迅速に対応してもらいやすくなるのです。
骨組みが完成したら上棟式
柱や梁梁などの建物の基礎構造が完成し、家の三角屋根の最上部に「棟木(むなぎ)」と呼ばれる木材を取り付けることを上棟といいます。この棟木に棟木札(むなぎふだ)または、幣束(へいそく)と呼ばれる札を取り付けてもらい、上棟をお祝いします。棟木札は、棟梁が準備してくれました。そこへ、「祝 上棟」という筆入れを主人が行いました。
上棟式には神主さんは呼ばず、工務店の大工さん(棟梁)、設計士さん、現場監督さんとスタッフ数名、私たち家族(地鎮祭では、お腹にいた子が上棟式にはすでに誕生しています)が参加しました。
施主側として、準備したものは
- お酒→一升瓶のお酒に「祝上棟」の熨斗をつけてもらいました
- 工事関係者へ振る舞うの仕出し弁当
- ご祝儀→上棟式に参加する職人さんの数だけ用意しました
現在は、上棟式を行わない施主さんも増えているようです。
ですが、上棟式は大工さんらの力により、基礎構造が出来上がったというお祝いの儀式でもあり、家を建てるために携わってくださった方々への感謝の機会でもあります。これを機に大工さんらに労いの言葉をかけたり、感謝の気持ちを伝えたり、というとても良い機会だと思いますので、上棟式を行うことも重要かなと思い、私たちは行いました。
結果、大工さん達とも交流でき、工事の大変なところ、面白いところ、今まで建てた家の話…などなど、これまで寡黙に作業してくださっていた大工さんらとも楽しくコミュニケーションを取ることができ、その後の工事もスムーズになりました。
上棟式の予算は、15万〜20万くらいでした。
内装工事から、竣工そして引き渡し
上棟の後は、配線工事や、お風呂、キッチンの設置など、内装の工事が次々に進んでいきました。毎週末のお休みの日に現場に見学へ行っていましたが、生活に関連するものがどんどん設置されていくと、“家らしく”なっていきますね。家づくりを間近で見ることができる貴重な機会でした。
内装工事が終わって、建物が完成したら、引き渡し前に施主の内覧会を行います。
この時に気になるところがないか、傷はないか、うまく施工できていないところはないかチェックしておくと良いです。住みはじめてからだと、これが本当に施工ミスによるものなのか、生活による傷なのかなどの判別がつかないためです。
ですので、内覧はワクワクする気持ちを一旦沈めて、冷静に隅々までチェックすることをお勧めします。
私たちは特に何もなく、図面通りにきっちりと仕上げていただいていましたので、次に引き渡しの手続きとなりました。
引き渡しには、住宅ローンを実行し、最終的な建築代金の残額を全て支払います。それから名義を建築主の名義に登記します。これで、この建物は施主のものになったということが公で証明できることになります。
あとは、工務店の現場監督の方に鍵をもらい、家に関する説明および取扱説明書一式を渡されて完了しました。これで、正式に注文住宅が私たちのものとなったのです。
引き渡しは完了しましたが、しばらくは賃貸アパートに住んでおり、タイミング的に引っ越しはその1ヶ月後に行いました。
もう当分ないであろう引っ越し
注文住宅に住む前に、当時住んでいたのは2LDKの賃貸アパートでしたが、引っ越しの際に家具家電をほとんど買い揃えたので、賃貸アパートで使用していたものは親戚に譲ったり、粗大ゴミに出したりしました。なんとなく、新築の住宅には新しい家具や家電を使いたかったからです。今思えば贅沢だったな、と。
そのおかげで、引っ越しの荷物は少し減りましたが、それでも夫婦2人分の荷物で引っ越し用段ボール箱15箱〜20箱くらいは荷造りした記憶があります。冷蔵庫や寝具などは引っ越しの日にないと困りますので、準備しておくと良いと思います。
引っ越しは朝から夜遅くまでかかり、1日仕事でした。体力も神経も使いましたので、引っ越し完了の頃にはクタクタで、荷解きもしないままその日は終わりました。幸い翌日もお休みを取っていましたので、1日かけて家の中を整えることができました。賃貸から注文住宅への引っ越しは、結構な大規模作業になりますので、休日の余裕のある日に引っ越しをするのをおすすめします。
プロのカメラマンによる写真撮影
私たちは、建物が完成して間もなくプロのカメラマンに建物の写真を撮影していただきました。
私たちの想いや夢が詰まった家。設計士さんと共にこだわりを持って創った家です。設計士さんも一つの作品として、写真を残したいと言ってくれたので、撮影することにしました。
住みはじめると、どうしても生活感がどんどんと出てきてしまいますので、撮影するなら竣工してすぐがおすすめです。
家が完成して約8年が経ちますが、写真に残しておいてよかったな、とつくづく思います。
写真を見ると、家が生きているんだなと分かるからです。家は8年も経つと、少しずつ少しずつ形を変え、家族が増えたり、プチリフォームをしたり、自分たちでDIYをしたりして、
家族に寄り添った形に変化を遂げていきます。
子どもたちも赤ちゃんの頃の記憶があまりないので、物心ついた時に、家が完成した時はこうだだったんだよ、などという話もできます。
今でも節目の時には、ふと写真を見返して、あの時はこうだったね、大変だったね、でも楽しかったね、などと夫婦で話したりしています。あれ、ここは最初こんなんだったんだね、などリフォームすると元の形を忘れてしまいますので、写真を撮っておいてよかったなと思いました。
最後に
8年経った今も住宅と共に家族が成長していっていると感じています。
注文住宅は、完成して住み始めてみないとわからないことがたくさんでてくると思います。使い勝手が悪かったり、ああしとけば良かった、こうしておけば良かった、などが必ずでてくると思います。住みづらく感じるところもあるかもしれませんが、どんどんアップデートもしていけるので、自分達が1から考えて建てた住宅に誇りを持ち、世界にただひとつの注文住宅を楽しんで生活していくと良いと思います。注文住宅を建てることは、人生で何度とないとても貴重な経験だからです。
というわけで、私たち家族の世界で一つの実録注文住宅が完成するまで、のお話は以上です。
注文住宅の建築を検討されている方の少しでも参考になれば幸いです。