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よりそいコラム

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  • 注文住宅
2022.12.15

実録!注文住宅を建てるまで Part1 

前回のコラムでは注文住宅で家を建てることについて、なんとなくお分かりいただけましたか?
今回は実際に注文住宅を建てた私の体験談を、記憶を辿ってご紹介したいと思います!少しでも参考になれば嬉しいです。 

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自己紹介

夫は会社員、妻の私はフリーランスのアラフォー共働き世帯で、子どもは小学2年生、5歳年中の二人の娘がいる4人家族です。 

注文住宅を建てたのは、約7年前。当時は、夫婦ともフルタイムの正社員。2人とも職場には30分以内でいける便利な立地の2LDK賃貸アパートで2人暮らし。長女を妊娠した頃に住宅建築を検討しはじめました。 

どんな家を建てようか?夫婦でとことん話し合い

まずは、ここですよね。夫婦でどんな家を建てたいのか、はじめにいろいろ話をしました。 

この話をしている時間がとっても至福でした。まっさらな状態で、現実を突きつけられることもなく(笑)ただひたすら理想を語り合うという、何とも楽しい時間です。おしゃれな建築雑誌を読みながら、こんな感じが良いだの何だのと理想を憧れの家についてワクワクしながら語り合ったのです。 

いろいろと話し合った結果、 

  • 外観はデザイン性の高いものにしたい 
  • 自分達の想いがより反映された家にしたい
  • こだわりを実現できる家にしたい 
  • 書斎が欲しい(夫) 
  • アトリエが欲しい(妻)→将来独立を見据えていたため
  • 広い庭が欲しい 
  • 子育てがしやすい環境に家を建てたい

などなど…。 

特に、外観のデザイン性や自分達の想いやこだわりが実現できるところ…を考えると建売の選択肢は消え、新築の注文住宅しかないな、という結論になりました。 

注文住宅をどこで建てるか? 

さて、方向性が決まったのですが次はどこで建てるか問題です。 
注文住宅を建てると決めたら、ハウスメーカーか工務店か設計事務所が主な選択肢になってくるかと思います。ハウスメーカーだと安心安全。規格化されたカタログの中から自分達好みのものを選んで家を創り上げていく、一定の基準のものの中から選ぶからはずれはないけど、割高な印象。工務店は、低価格で親身になって家づくりを一緒に考えてくれるけれど、建てることが専門の工務店は、デザイン性に欠ける部分があるかもしれません。それぞれにメリット、デメリットはあるかと思うのですが、私たちは、当時おしゃれな建築雑誌を読み漁っていたこともあり、よりデザイン性の高い設計事務所を選びました。今までに見たこともない世界でオンリーワンの住宅を夢見ていたのです!

見学会、資料集め 

次は個人の住宅設計に力を入れている設計事務所探し。いくつかの候補を雑誌やインターネットで調べて、見学会に行きました。見学会へ行くと色々なことがわかります。その会社の雰囲気はどうか?営業マンの感じはどうか?知識が豊富なスタッフが揃っているか?お客様への対応はどうか?これから、かなり長い付き合いになると思いますので、そこと自分達との空気感みたいなものの相性も大事だと思います。 

また施工事例を見せてもらうことにより、その設計事務所の得意とする雰囲気の家の特徴が見えてきます。中には、実際に建てられた個人住宅が完成住宅見学会として、一般の方々に開放されていることもあり、住み始めた施主さんに直接お話を聞けるという貴重な機会にも参加させていただきました。 

そんな感じで何社か見学に行きましたが、会社の雰囲気とこれまで手がけた住宅の数々が、一番自分達好みであったA社に決定しました。 

土地探し 

設計事務所からのヒアリングを受けて、まずは土地探しからですね、ということで注文住宅の建築に向けての第一歩を踏み出しました。夫の実家は遠方であったし、私も特に実家の近くが絶対に希望!というわけではなかったため、広範囲にわたって希望の土地を探しはじめました。治安が良く、広めの土地。幹線道路に面していなく、車の出し入れはしやすい、市内まで1時間以内で都市に出やすく程よく田舎。などと、若干抽象的な条件で探しはじめました。ですが、やはりエリアは指定しないとなかなか探しきれず、現在住んでいる賃貸アパートの近隣エリアと私の実家近辺や私の土地勘のある地域にエリアを絞りました。インターネットや不動産、または設計事務所の営業さんも一緒になって探してくれました。 

土地は建築条件なしを選びます。建築条件がある土地は、施工業社が指定されていたりするので、注意が必要です。 

土地販売の図面を見るだけでは、周辺状況などがわかりづらいため、気になる土地があれば足を運びます。実際に行ってみると、とっても入り組んだ道路の奥にある土地だったり、土地は売られているのだけど、まだ上物付き(解体費用が別途)の土地であったり、なかなか理想の土地に出会えませんでした。
さて土地を探していると、見えてきた法則。(都市部に近い)便利な地域になればなるほど、当たり前ですが坪単価は上がるが、狭くなる…。郊外へ行けば、坪単価も安くなり、広い土地が手に入る。 利便性を取るか、広さを取るか、と悩みましたが、どこにいても仕事ができるというリモートワークの先駆けの時期であったので、郊外でも問題ないだろうと思い、広さ優先で郊外の土地を中心に探しました。

土地探しをはじめてから数ヶ月経ったある日。気になる土地を見つけました。都市部へも30分以内でいける立地。前面の道路は広く、閑静な住宅街にある土地です。さらに、坪単価は同じエリアの売土地相場よりもかなり低め。謎は深まるばかり。さっそく、土地の見学を申し込みました。 

土地見学の日。閑静な住宅街の一角に約80坪ある広い更地に出会いました。 

最寄り駅まで徒歩約20分。急勾配な坂の上の立地でした。 

私は見晴らしが良い丘の上にあるし、海抜が高い場所は、水害の被害にあいにくい。坂に関しては車があるから何ら問題はない。とポジティブに捉えていました。 

しかし夫は、若干不便さがあるこの土地に難色を示しており、一旦保留に。 

これまで土地を探していて、なかなか良い条件の土地に出会えなかったので、この土地は直感的に私の中でピンときていました。 

保留にしていたもののやはり気になり、何度かこの土地を訪れました。近所の人の良さそうなおばさまが、通りすがりに「ここに家は建ったことないのよ。ずっと更地でね。」と言っていました。周辺は生活インフラも整っているようだし、この土地をどんどん気に入ってきました。 

夫を説得して、ついに売主さんと面談することになりました。売主さんは、2人いてご兄弟でした。40坪ずつ、(合わせると80坪相当)相続されたそうですが、自分達は市内にマンションを購入しており、これらの土地は必要ないから、安くてもいいので早く手放したいのだということです。そのため相場よりもかなり安く売り出していたそうです。 

予算内の値段、広い庭の実現、治安の良さ、実家との距離、そして広い土地による建物の自由度や拡張性を考えると、とっても良いのではと気持ちが一気に傾きました。 

土地との出会いは一期一会、そしてタイミング。とても好条件が揃ったこの土地に決定しました。 

並行して行わないといけなかったことが、住宅ローンの仮審査です。 

先に土地を購入する場合に、土地購入代金を全額用意できない場合は、つなぎ融資を受ける必要があります。つなぎ融資とは、土地代金や着工金、上棟金などが必要な時に受ける融資です。住宅ローンは、建物が竣工して引き渡しの後に実行されるため、それまでに必要な資金はつなぎ融資で賄います。 

売買契約へ 

土地を購入したい旨を伝えると、日時を設定して売主、私たち買主、そして宅地建物取引士2名が同席の元、売買契約が行われました。 

買主として必要だった書類等 

  • 実印
  • 本人確認書類
  • 印紙
  • 手付金
  • 仲介不動産会社への仲介手数料

初めての大きなお買い物に少し緊張しましたが、雑談を交えながら、和やかな雰囲気のもと売買契約が行われました。たくさんの書類に実印を押したことを記憶しています。

プラン提案・見積もり・資金計画 

土地が決定したら、設計士に依頼してプラン提案をしてもらいます。まずは、設計事務所の担当設計士と顔合わせをして、事細かにヒアリングしていただきました。

  • 土地の特性を活かして、庭が見えるリビング
  • キッチンからリビングが見渡せる配置に 
  • 中庭も欲しい 
  • 将来的に独立したいのでアトリエ兼事務所が欲しい(妻) 
  • 書斎が欲しい (夫) 
  • 家族が家の中で、どこで何をしているのか分かる間取りにしたい
  • 吹き抜けが欲しい 

など、いろいろわがままを言いましたが、数週間で第一回目の図面が上がってきました。

概ね希望通りの図面を描いてくれたのですが、悩んだのが子供部屋。私たち夫婦は当時、私が第一子妊娠中でした。夫婦の希望では、「子供は2〜3人欲しいね。」という話はしていたものの、設計の打ち合わせ段階では、まだ未定というところでした。将来的に兄弟が産まれたら、人数分の個室がいるのだろうか?とか同性だったら1つでいいのか?しかし異性の兄弟が産まれたら、ゆくゆくは別々の個室が欲しくなるだろうし…。こう考えていても、もしかしたら一人っ子かもしれない。 

悩んだ末、設計士さんのアイディアで子供部屋を大きな部屋ひとつ作ることにしました。そして、個室が必要となった時に間仕切りできる仕様にしてもらいました。 

その後も、何度か打ち合わせを重ねて、ようやく私たち家族の家の図面が完成しました。 

いつでも声をかけてくれたのは、「何か困ったことがあったり、気になることがあったらいつでも言ってくださいね。」という設計事務所の皆さんの言葉でした。これがとても安心感につながっていました。 

同時に見積り・資金計画を行い、土地・設計プラン・その他諸費用などを含めた総費用を試算していただき、予算とのすりあわせを行いました。 

そしてプランが固まったら、設計事務所と「建築設計・監理業務委託契約」を締結します。 

内装選びは楽しい作業 

設計と同時進行で行なっていたのが、建材の選定です。仕事が休みの週末ごとに、内装関連のショールームへ出掛けて、キッチンやお風呂、壁紙、タイル、その他諸々、時には設計士さんも同伴してくださり、決定していきました。こだわるところと抑えるところのメリハリをつけて選んでいくことになります。誰もが知っているメーカーのものを選ぶこともあれば、予算が決まっているため、設計士さんが、リーズナブルでクオリティーの高いメーカーを紹介してくれ、そこから選んだりすることもありました。 

数々のショールームへ行きましたが、見ているだけで楽しかったです。 

また、設計事務所で家を建てると決めた後も、ハウスメーカーなどの住宅展示場へ行き、内装のヒントとなるものを取り入れたりしていました。 

施工業者の決定と工事請負契約 

設計者との設計打ち合わせが決まったところで、今度は実際に建ててもらう工務店の選定、そして工事請負契約と進みます。 

設計事務所の仕事も数多く請負い、デザイン住宅の施工が得意な地域密着型の工務店を紹介していただきました。こちらの工務店と工事請負契約を結びました。 

もうここまででも、決めることはたくさん!ほとんどの作業を同時進行で行っていたような記憶で、楽しいながらも慌ただしい毎日でした。家づくりを開始して、図面が完成するまで約半年かかりました。まだ途中段階ですが、本当に何から何まで1からの手作り住宅で、私たち夫婦の好みがぎっしり詰まった世界で一つの注文住宅の設計ができたのです! 

次回はいよいよ着工がはじまります。着工から竣工まで、施主としてどんなことをしたか?などをご紹介していきたいと思います!お楽しみに。